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2013年9月24日火曜日

兵庫革新懇 夏期一泊研修ツアー 参加感想

前 哲夫 代表世話人の感想文(全文)を紹介します。

兵庫革新懇2013年夏季研修ツアーの感想
2013・9・6
前  哲 夫
                  記
1 初めて兵庫革新懇夏季研修ツアーに参加しました。寝ると歯ぎしり・いびき・寝言・おならと4拍子そろった私が相部屋の方に迷惑をかけるのではないかとか、睡眠時無呼吸症で睡眠時には空気マスクを着用するのにツアーに参加すると着用しないから、この8月は使用しなかった日が多かったのでヤバイのではないかとか、いろいろ気になることはあったのですが、久しぶりにお会いできたかたがたもあり、皆さん歓迎してくれて、バスに乗り込んだ最初から来てよかったと思いました。
2 秋の小京都―竹原
町並みはあまり]関心がなく、あいつだったら喜ぶだろうなと友人の顔を思い浮かべながら一人先頭で歩きました。驚いたのは「大国神社」・「伊勢神社」等々小さな神社の多いこと、氏子はどれだけいるのだろうといぶかしみながら歩きました。「楠神社」には「湊川神社・・・」と彫った大きな石が置かれており神戸の「楠公さん」とのつながりが現実にあることが分かりました。興味深かったのは、「大国神社」とは別に「出雲神社」があること、今でも理由は分かりません。
頼山陽の出身地で、久しぶりに川中島の合戦をうたった「鞭声粛々夜川を渡る・・・」の詩を思い出しました。
3 陸軍毒ガス製造の島―大久野島
明治時代に既に毒ガスが残酷な兵器として禁止する条約が出来、日本も批准していながら、陸軍が毒ガス製造工場を最初は新宿に作り、秘密保持と近隣被害の防止のため大久野島に(住民をすべて立ち退かせて)移したこと、使途が限られている海軍は相模原に毒ガス製造工場があったが実用化も遅く、日本軍が使用した毒ガスの95%は大久野島で作られたもので、多くは中国戦線で使用されたことを知りました。驚いたのは、終戦の1年前にアメリカから毒ガス使用を指摘され、「使い続けるならこちらも使うぞ」と脅されて使用を停止したとの、ボランティアの山内さんの説明でした。アメリカの原爆使用について終戦前に日本政府が抗議をしたことは知っていましたが、毒ガス使用についてもやりとりがあったのですね。
毒ガスの製造・保管・廃棄に関わった方々の罹患の典型は、慢性気管支炎、つぎに肺気腫。大気汚染公害の認定疾病は、慢性気管支炎、肺気腫、気管支喘息、喘息性気管支炎、(ただし、喘息性気管支炎は小児の疾病で、ゼーゼーという喘鳴を主症状とし、気管支ぜんそくの前駆とも考えられるので、実質は慢性気管支炎、肺気腫、気管支喘息の3疾病)。これらは慢性閉塞性肺疾患と総称されます。以前四日市喘息が有名になり訴訟も被害原告の勝利に終わりましたが、その頃から財界やその意向を受けた学会から、「慢性気管支炎、肺気腫はたばこ、気管支喘息はアレルギー(アトピー)が原因」という反論が始まりました。山内さんが写真と共に説明して下さった毒ガスに関わった方々の慢性気管支炎の症状は私自身が担当した尼崎大気汚染公害訴訟での重篤な患者さんの症状にそっくりでした。慢性閉塞性肺疾患は、非特異性疾患(結核のように原因となる細菌やウイルスが特定でない病気)ですから毒ガスでも硫黄酸化物や浮遊粒子状物質などのような大気汚染物質でも発症するのですね。
4 伯方の塩…略
5 大山神社
「大山衹」と書かれているのと「大山積」と書かれているのがあり、どちらが正しいのかと参加者から質問があり、明確な回答はなし。私は、古事記には「大山津見」と書いてあると発言しました。説明看板に、古事記の他に日本書紀・伊予風土記にも書かれている旨あったので、帰宅後しらべてみましたが、日本書紀では「大山衹」、伊予風土記では「大山積」と書かれており、岩波古典体系によればこれら3本とも読み方は「おおやまつみ」で現地発音の「おおやまづみ」ではありませんでした。
この神様が「天照大御神」の兄神という説明に驚いておられた参加者もいらっしゃいましたが、古事記の以下にまとめた記述をもとにしたものと思います。すなわち、イザナギノミコトとイザナミノミコトの2神は、性交して、「大八島」を始めとする島々(国々)を産み出し、次々に神々を産み出します。その中の「山の神」が「大山津見神」です。イザナミノミコトは、火の神を生んだときに女陰が焼かれて死亡、イザナギノミコトはイザナミノミコトに会いたいと黄泉の国へ行くが無残なイザナミノミコトの姿に驚きなんとか逃げおおせ、竺紫の日向の橘の小門の阿波岐原で禊をした時にまた神々を世に出します。その最後、左目を洗ったときに生まれたのが「天照大御神」、右目を洗ったときに生まれたのが「月読命」、鼻を洗ったときに生まれたのが「建速須佐之男命(=スサノオ)」です。
ですから、順番でいうと「大山津見神」が「天照大御神」の兄神ということになりますが、「大山津見神」はイザナギノミコトとイザナミノミコトの子、「天照大御神」はイザナギノミコトの子(あり得ないことですが母不在)です。
6 ホロコースト記念館…ホロコースト記念館へ手紙を送りました。
7 事務局の下田さんの話では、33回にもわたる兵庫革新懇2013年夏季研修ツアーで下見なしのツアーは初めてということでしたが、よい旅行になりました。
車中で、署名の話が出、2日目の昼食時に急遽署名タイムを用意していただきました。その時はよかったと思ったのですが、後日振り返ってみると、流れ作業のように中身をほとんど見ずに署名したのはどうだったか?署名というのはやはりきちんと趣旨等を説明して納得してもらってもらうと共にその人にも広めてもらうのが筋ではないかと思うようになりました。次年度以降ご検討下さい。
また、車中で教育長指示の「はだしのゲン」閲覧制限問題が話題になりました。読んだ方や読みかけの方から素晴らしい本との意見が出されました。平和委員会の西澤さんは「おかげで本がよく売れている」ともおっしゃっていました。私は読んでいませんが、以前、大学同期の野口善国弁護士(少年事件で有名)からこんな話を聞いております。「はだしのゲン」が映画化され、野口弁護士は子供を連れて映画館にいったところ、映画館は子供連れの人たちでいっぱいだった。ところが、原爆が落とされた直後の悲惨な被害の場面で子供たちから一斉に大笑いの声の合唱となった(野口弁護士の子は親の思いを知ってか同調しなかったけれど)と聞きました。私たちと子供たちとの感性のギャップは、家庭か学校か社会が正しく埋めてあげないといけないのではないでしょうか。